「どこの不動産会社に相談すればいいの?」
住宅購入を考え始めたとき、多くの方が一度は悩むポイントではないでしょうか。
「大手の不動産会社なら安心?」
「地元の不動産会社のほうが詳しい?」
「仲介手数料が安い会社を選んだほうがいい?」
前回の記事では、こうした「不動産会社選び」について詳しく解説しました。
▶︎ 前回の記事:不動産会社はどう選ぶ?大手・地域密着・不動産エージェントの違いを徹底比較
前回の記事の結論は、「不動産会社選びも大切ですが、それ以上に重要なのが担当者選び」ということでした。
担当者は「売る人」ではなく、「一緒に考える人」であるべきだと考えています。
同じ不動産会社でも、担当者によって提案の仕方や説明の丁寧さ、住宅ローンに対する考え方、購入後のサポートまで大きく変わることがあります。
では、どのような担当者を選べばいいのでしょうか?
今回は、これから住宅購入を考えている方に向けて、「良い不動産営業担当者を見分ける7つのポイント」をご紹介します。
良い不動産営業担当者を見分ける7つのポイント
良い担当者かどうかは、担当者からの提案を聞くだけでは、なかなか分かりません。
そこでおすすめなのが、ご自身から積極的に質問・相談してみることです。
例えば、
「この物件のデメリットは?」
「この予算で無理はない?」
「担当者さんなら、この物件を買いますか?」
など、こちらから質問してみましょう。
そのときの「答え」だけではなく「答え方」を見ることで、その担当者がどのような考え方をしているのかが見えてきます。
それでは、具体的に7つのポイントを見ていきましょう。
① 物件を無理に勧めてこない
良い担当者は、物件を「売る」ことだけを目的にしていません。
お客様の希望や生活スタイル、将来のことまで考えたうえで、本当にその物件が合っているのかを考えてくれます。
例えば、
「駅から近いのでおすすめです」
というメリットだけではなく、
「駅近ですが、前面道路の交通量が多いので、現地で時間帯を変えて確認したほうがいいですよ」
「この物件は条件に合っていますが、将来的な売却まで考えるなら、こちらの物件のほうが安心かもしれません」
など、物件の良い部分だけではなく注意点まで説明してくれる担当者は信頼できます。
◇見極めるポイント
こちらから、
「この物件のデメリットは何ですか?」
と聞いてみましょう。
そこで、すぐにメリットの話に戻したり、「特にありません」と答えたりするのではなく、具体的な注意点を説明してくれるかを確認してみてください。
「買ってもらうこと」より「納得して選んでもらうこと」を大切にしているか。
ここがポイントです。
② 物件価格以外のお金についても説明してくれる
住宅購入では、物件価格だけを見て予算を決めるのは危険です。
例えば、
- 仲介手数料
- 住宅ローンの諸費用
- 登記費用
- 火災・地震保険
- 固定資産税
- 管理費・修繕積立金
- 駐車場代
- リフォーム費用
- 引っ越し費用
など、購入時・購入後にはさまざまな費用が発生します。
◇見極めるポイント
こちらから、
「物件価格以外に、実際にはどのくらいお金がかかりますか?」
と聞いてみましょう。
さらに、
「毎月の住宅ローン以外には、毎月どんな費用がかかりますか?」
と聞いてみるのもおすすめです。
物件価格だけではなく、諸費用や購入後の維持費まで具体的に説明してくれるかを確認しましょう。
③ 購入後の生活まで一緒に考えてくれる
住宅購入は、物件そのものだけを見て決めるものではありません。
実際に暮らし始めたあと、
「駅まで毎日歩くのは大変ではないか?」
「近くに買い物できる場所はあるのか?」
「病院や公園は近くにあるのか?」
など、その家での生活を具体的にイメージできるかがとても重要です。
だからこそ、物件の説明だけではなく、購入後の生活まで同じ目線に立って一緒に考えてくれる担当者を選ぶことをおすすめします。
「自分だったらどう暮らすか」という目線
良い担当者は、
「駅徒歩○分です」
「スーパーが近いです」
と、物件情報に書いてあることを伝えるだけではありません。
家族構成や通勤・通学、車の利用頻度、普段の買い物などを聞いたうえで、
「このご家族の場合、この道を毎日使うことになるので、一度実際に歩いて確認してみましょう」
「お子様が通学することを考えると、こちらのルートのほうが安心かもしれません」
など、実際に暮らす人の目線で考えてくれるかを見てみましょう。
私自身が大切にしていること
私自身、物件をご案内するときには、できるだけ「その家で実際に暮らしたらどうなるか」をイメージしていただけるようにしています。
例えば、
- 通勤・通学で利用する道路の状況
- お子様が歩く通学路
- 周辺の公園
- 病院やクリニック
- 駅までの実際の道のり
- 日常の買い物環境
- 近隣のスーパー
など、物件そのもの以外の周辺環境も確認します。
さらに、買い物については、実際に近隣のスーパーを回って、商品の価格を調査することもあります。
同じ「スーパーが近い」という条件でも、
「徒歩5分だから便利」
だけではなく、
「普段の食材を買うなら、どのお店を利用することになりそうか」
「価格帯はどうなのか」
まで分かれば、購入後の生活をより具体的にイメージできます。
もちろん、すべての担当者がここまで調査する必要があるわけではありません。
大切なのは、物件を売るために情報を集めるのではなく、その人が実際に暮らしたときにどう感じるかという視点を持っているか、どのような不安があるかを先回りして考えてくれているかです。
◇見極めるポイント
こちらから、
「この物件で暮らした場合、生活面で気になるところはありますか?」
と聞いてみてください。
また、
「この周辺で子育てするとしたら、どんな環境ですか?」
「普段の買い物はどこでする人が多いですか?」
など、物件以外のことも質問してみましょう。
そのときに、物件資料に書いてある情報だけでなく、実際の生活を想像しながら答えてくれるか。
そして、分からないことがあれば、
「実際に確認してみます」
と言ってくれるか。
ここを見ることで、その担当者が「物件を紹介する人」なのか、「暮らしまで一緒に考えてくれる人」なのかが分かりやすくなります。
④ 「分からない」と言える
不動産には、法律・税金・建築・住宅ローン・土地・マンション管理など、非常に幅広い知識が必要です。
そのため、すべての質問にその場で完璧に答えられる人が必ずしも優秀とは限りません。
むしろ、
「そこは確認してから回答します」
と言えることも大切です。
◇見極めるポイント
あえて少し専門的な質問をしてみるのも一つの方法です。
その際、
「たぶん大丈夫です」
「おそらく問題ありません」
と曖昧に答えるのか、
「そこは確認が必要なので、調べてから正確に回答します」
と言うのか。
分からないことを誤魔化さず、正確な情報を確認してくれるかを見てみましょう。
⑤ 「借りられる金額」ではなく「無理なく返せる金額」で考えてくれる
住宅ローンについて相談するときは、ぜひこちらから、
「私たちの年収なら、いくら借りられますか?」
だけではなく、
「いくらくらいなら無理なく返済できると思いますか?」
と聞いてみてください。
良い担当者であれば、年収だけで判断するのではなく、
- 家族構成
- 子どもの教育費
- 車
- 現在の生活費
- 将来の収入
- 固定資産税
- 管理費・修繕積立金
- 金利上昇
- 今後のライフイベント
などを確認しながら、一緒に考えてくれるはずです。
「銀行が貸してくれる金額」だけを基準に物件を勧めてくるのか、それとも「購入後の生活」まで考えてくれるのか。
ここは担当者を見極める大きなポイントです。
ライフプランニングをしてもらうときの注意点
住宅購入の相談では、不動産会社からライフプランニングや資金シミュレーションを提案してもらうこともあります。
将来の家計を考えるうえで参考になりますが、その数字をそのまま鵜呑みにするのではなく、どのような条件で計算されているのかを確認することが大切です。
不動産会社が行うライフプランニングは、住宅購入の判断材料として簡易的なシミュレーションを行うケースもあります。
また、システムに収入や支出などを入力するだけでは、現在の家計の問題点や、将来必要になる支出まで十分に反映できない場合があります。
そのため、より正確に家計を見直したいのであれば、専業のライフプランナーなど、資金計画を専門とする方を紹介してもらえるかも確認してみるとよいでしょう。
住宅購入だけを前提にするのではなく、
- 現在の家計状況
- 将来の教育費
- 老後資金
- 保険
- 貯蓄
- 投資
- 住宅ローン
- 今後のライフイベント
などを総合的に見てもらうことで、
「この家を買えるか」だけではなく、「この家を買ったあとも無理なく生活できるか」
という視点で判断しやすくなります。
担当者に、
「ライフプランニングをしてもらえる専門家を紹介してもらえますか?」
と聞いてみるのも、担当者を見極める一つの方法です。
住宅購入を成立させることだけを優先するのではなく、必要であれば専門家につないでくれる担当者であれば、より安心して相談できるでしょう。
⑥ 契約を必要以上に急かさない
人気物件の場合、本当に早く判断しなければならないこともあります。
そのため、「早く決めたほうがいい」というアドバイス自体が悪いわけではありません。
重要なのは、なぜ急ぐ必要があるのかを具体的に説明してくれるかです。
例えば、
「他にも購入申込を検討している方がいます」
「売主様から価格変更の予定を聞いています」
など、具体的な理由を説明してくれるか確認しましょう。
また、
「一度家族で相談してから決めたいです」
と伝えてみるのも一つです。
そのときに、冷静に検討する時間を与えてくれるのか、それとも不安を煽って決断を迫ってくるのか。
担当者の本当の姿勢が見えやすい場面です。
「今日決めなくても大丈夫」と言える担当者か
住宅購入は、多くの方にとって人生の中でも大きな買い物です。
だからこそ、物件を見たその日に無理に結論を出す必要はありません。
もちろん、本当に競合がいる物件や、売主様の事情などによって早めの判断が必要になるケースもあります。
ただ、そういった事情がないにもかかわらず、購入を急かされるようであれば、一度立ち止まって考えてみてもいいでしょう。
ちなみに、私自身は物件をご案内する前に、
「今日、無理に決めていただく必要はありません。」
と一言お伝えするようにしています。
実際に物件を見て、
「思っていたより良かった」
「ちょっとイメージと違った」
「他の物件も見てみたい」
など、さまざまな感想が出てくると思います。
その場で決断することよりも、実際に物件を見たうえで、ご家族で話し合い、納得して判断していただくことのほうが大切だと考えているからです。
もちろん、購入したいと思える物件に出会い、他の検討者がいるなど、早めに判断する必要がある場合には、その状況を正確にお伝えします。
大切なのは、
「急がせる」のではなく、「判断に必要な情報をきちんと伝える」こと。
そして最終的な決断は、お客様ご自身にしていただくことです。
⑦ 購入後のことまで考えてくれる
住宅購入は、契約して終わりではありません。
むしろ、購入後から新しい生活が始まります。
そのため、
「この物件を購入した場合、将来的に売却するとしたらどうでしょうか?」
「購入後にリフォームするとしたら、どこを優先したほうがいいですか?」
「このマンションの管理状態はどう見ればいいですか?」
など、購入後を意識した質問をしてみるのもおすすめです。
その質問に対して、
「契約が終われば仕事は終了」
という姿勢なのか、
「購入後の生活まで考えて、一緒に方法を考えてくれる」
のか。
ここにも担当者の違いが表れます。
担当者を見極めるために、もう一つ大切なこと
ここまで7つのポイントをご紹介しましたが、もう一つ確認していただきたいことがあります。
それは、「こちらの話をちゃんと覚えているか」です。
最初の相談で、
「駅から徒歩10分以内が希望です」
「子どもの学校の関係で、このエリアを希望しています」
「毎月の支払いは15万円程度に抑えたいです」
など、具体的な希望を伝えたとします。
その後の提案で、その条件がきちんと反映されているでしょうか?
もちろん、すべての希望を満たす物件が見つかるとは限りません。
しかし、
「なぜこの物件を提案したのか」
を説明できる担当者であれば安心です。
例えば、
「駅徒歩10分以内という条件からは少し外れますが、こちらは通学路が安全で、総合的にはご希望に近いと思いご紹介しました」
など、条件から外れている理由まで説明してくれるか。
逆に、最初に伝えた条件を無視して、とにかく物件をたくさん紹介してくる場合は注意が必要です。
「物件をたくさん紹介してくれる=良い担当者」ではありません
不動産探しを始めると、毎日のように物件情報を送ってくれる担当者もいます。
「たくさん物件を紹介してくれるから、熱心な担当者なんだ」
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、希望条件に合う物件を積極的に探してくれることは大切です。
しかし、物件の紹介数が多いことと、良い担当者であることは別です。
例えば10件の物件を紹介されたとして、
「新着物件が出ました!」
「こちらも条件に近いです!」
と、ただ物件情報だけが送られてくるのと、
「こちらはご希望の予算内ですが、駅までの道に坂があります」
「こちらは少し予算を超えますが、将来的な売却まで考えると候補に入れてもいいと思います」
「この物件は条件には合っていますが、私はあまりおすすめしません。理由は○○です」
と、なぜその物件を紹介するのかまで説明してくれるのとでは、大きな違いがあります。
大切なのは、紹介する「数」ではありません。
その物件を紹介する「理由」です。
むしろ、条件を聞いたうえで、
「この条件だと、今は無理に買わないほうがいいと思います」
と言ってくれる担当者のほうが、私は信頼できると思います。
良い営業担当者=自分に合う担当者
ここまでご紹介したポイントをすべて満たしていても、最終的には「自分に合った担当者かどうか」も重要です。
「できるだけたくさん提案してほしい」
という方もいれば、
「自分たちのペースでじっくり考えたい」
という方もいます。
「住宅ローンについて詳しく相談したい」
「物件のデメリットを率直に教えてほしい」
「LINEで気軽に相談したい」
など、人によって求めるサポートは違います。
だからこそ、
「良い営業担当者=誰にとっても同じ」ではありません。
私は、「良い営業担当者=自分に合う担当者」だと考えています。
そのために、不動産の知識や経験だけではなく、担当者自身のことを知ってみるのもおすすめです。
例えば、
- 家族構成
- 趣味
- これまでの経歴
- 不動産の仕事を始めたきっかけ
- 学生時代にどんなことをしていたか
など、物件とは関係のない話をしてみるのもいいでしょう。
担当者のことを知ることで、
「この人なら自分たちのことを理解してくれそう」
「この人なら気軽に相談できそう」
と感じられるかもしれません。
担当者の経験も一つの判断材料
私自身、子どもができてから、お子様がいらっしゃるご家庭の住宅購入について、以前よりも同じ目線で生活をイメージできるようになりました。
「子どもが毎日この道を歩いたらどうだろう?」
「近くに公園や病院はあるだろうか?」
「買い物はしやすいだろうか?」
など、自分自身の生活経験から、お客様の暮らしをより具体的に考えられるようになったと感じています。
もちろん、自分と同じ家族構成や経験を持つ担当者でなければいけないわけではありません。
大切なのは、担当者自身の経験を押し付けるのではなく、お客様の生活を理解しようとしてくれるかどうかです。
知識や実績だけで担当者を判断するのではなく、
「この人なら、自分たちの生活を理解してくれそう」
と思えるかどうか。
それも、良い不動産営業担当者を見極める大切なポイントです。
まとめ|担当者は「選ぶ」もの

住宅購入では、不動産会社から紹介された担当者に、そのまま相談を続けるケースも多いと思います。
しかし、担当者は単に「物件を紹介してくれる人」ではありません。
住宅購入という大きな決断を一緒に進めていくパートナーです。
だからこそ、担当者からの提案を受けるだけではなく、ご自身から積極的に質問・相談してみてください。
物件について。
予算について。
住宅ローンについて。
将来について。
そして、そのときの「答え」だけではなく「答え方」を見てみてください。
こちらの話をしっかり聞いてくれるか。
メリットだけでなくデメリットも教えてくれるか。
無理な購入を勧めてこないか。
分からないことを曖昧にしないか。
必要であれば「買わない」という選択肢も提案してくれるか。
そして、購入後の生活まで考えてくれるか。
良い不動産営業担当者とは、物件を売ることを優先する人ではなく、お客様が納得して購入を決断できるように一緒に考えてくれる人です。
そして、
「良い営業担当者=自分に合う担当者」
です。
「この人なら、自分たちの希望や不安を正直に話せる」
そう思える担当者を見つけることが、住宅購入を安心して進めるための大切な一歩になります。
「どの物件を選ぶか」だけではなく、
「誰に相談するか」も、住宅購入を成功させるための大切な選択です。
この記事を読んで、「こんな場合はどう?」「担当者にこう言われたけど大丈夫?」など、気になることがあればお気軽にご相談ください。
実際の住宅購入では、ご家族によって正解が異なります。
この記事だけでは判断できないことも、一緒に整理していきます。
お気軽にお問い合わせフォームからご相談ください。


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